アートメイクに使う色素とは?成分構成と安全性について最新の研究論文を基に解説
2024/04/15 19:23
アートメイクは、眉毛、アイライナー、リップカラーなどの恒久的な美容効果を実現する施術であり、特定の色素を皮膚の真皮層に注入することによって施されます。
この技術には、タトゥーインクと同様の色素が使用されますが、含まれる化学物質によって皮膚トラブルやアレルギー反応が引き起こされる可能性があります。
本記事では、アートメイクに使用される色素の成分、これに起因する潜在的なリスク、及び安全な施術を受けるための推奨事項について、
最新の研究成果 (Safety of Tattoos and Permanent Make up (PMU) Colorants, 2021)に基づいて概説します。
1. アートメイク色素の化学的構成
アートメイクに用いられる色素は、無機顔料と有機顔料の二種類に大別されます。
無機顔料には酸化鉄や二酸化チタンなどの金属が含まれ、その化学的安定性によりアレルギー反応のリスクが比較的低いと評価されています。
対照的に、有機顔料は多彩な色を提供する一方で、アゾ色素など特定の化合物がアレルギーや皮膚刺激の原因となることが科学的研究により明らかにされています。
2. アートメイク色素関連の皮膚トラブルとその対策
①アレルギー反応
アートメイクやタトゥーによるアレルギー反応は、皮膚に注入される着色料の成分に対する個人の免疫系の過敏反応によって引き起こされることがあります。
タトゥーインクに含まれる特定の化学物質や金属、例えば多環芳香族炭化水素(PAHs)や一級芳香族アミン(PAA)などが
皮膚アレルギー反応やその他の副作用を引き起こす可能性があることを示唆しています。
また、インクの不純物や製造過程で生じる副産物も反応を引き起こす原因となり得ます。
対策として、施術前のパッチテストや、成分表示が明確で安全性の高い製品の選択、低アレルゲン性顔料の使用が推奨されます。
②色素の移動や色変更
色素の移動や色変更は、顔料の物理的な不安定性、皮膚内での化学的分解、紫外線による光分解などによって発生することがあります。
顔料が真皮層に安定して留まらず、リンパ系へ移動することで、色素が拡散し、タトゥーやPMUの外観が時間とともに
変化する可能性があります。
施術者の選定では、その経験と専門性、使用するインクの品質、施術後の適切なアフターケアが重要です。
③ 感染症
不衛生な施術環境や器具の使用は、細菌感染症やウイルス感染症のリスクを高めます。
本研究では、タトゥーインクとPMU製品の微生物学的品質が改善されているものの、
施術に使用される機材の滅菌が不十分な場合、感染のリスクが依然として存在することを指摘しています。
施設の衛生状態や機材の滅菌状況を確認することが、感染症対策の鍵となります。
尚、色素の大部分(約80%)はヨーロッパ外で製造され、アジアとアメリカの製品が市場で主要な役割を果たしています。
価格設定は地域によって異なり、アジア市場が特に競争力があるとされています。
2008年にはアートメイクの安全性に関する欧州理事会の決議が作成され、オランダ、ノルウェー、フランス、ドイツ、スペイン、スイス、スウェーデンなどいくつかの国が色素製造に関する国家規制を採用しました。
色素メーカーは現在、CLP(分類・表示・包装)規則およびREACHに基づく登録要件と情報提供に従う必要があります。
体内へのインクの影響はまだ完全には理解されておらず、禁止成分リストが作成されました。
化粧品用途で禁止されている成分はタトゥーインクやPMU着色剤にも使用できませんが、化粧品規制のない成分の使用は可能です。
欧州化学庁は、入れ墨やPMUに含まれる有害化学物質に対する制限を強化するために動いており、REACH規則によるより厳しいリストの発表が予定されています。この取り組みの目的は色素の施術を禁止することではなく、使用される色の安全性を高めることです。
3. 安全なアートメイク施術を受けるために
いかがでしたでしょうか?この研究結果は、アートメイクで用いる色素により様々なトラブルの発生可能性がある一方、パッチテストや
顔料の選定等、アートメイクアーティストの知識/技能によって、トラブル発生の可能性はコントロールできることを示しています。
ISO認証を持ったアートメイクアーティストであれば、上記リスクが極力発生しないような技術を保有しております。
例えば...
ISO認証検定では、筆記・実技双方において、必要な道具や利用方法を評価する衛生管理の技術を評価しているため、
ISO認証を持つアートメイクアーティストは、感染症・アレルギー反応/皮膚トラブルの可能性を最小限にできます。
また、衛生管理のみならず、デザイン、テクニックや色の表現具合を実技試験で確かに評価するため、
不自然な色、色素の変色の可能性を最小限にできます。
また、お客様の要望を正しく理解し、できる/できないことをすり合わせるカウンセリングについての
知識も評価しているため、不満足な結果になりにくいような技術も一定担保しています
コミュニティ型プラットフォーム「Beauty Hub」では、信頼できる美容アーティストを直接検索/予約し、美容体験をシェア・相談できます。
確かな技術を持ったアートメイクアーティストに施術してもらい、理想の眉を手に入れることを願っています!
参考論文:Safety of Tattoos and Permanent Make up (PMU) Colorants
https://www.mdpi.com/2079-9284/8/2/47
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